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暗黒の宇宙空間。
遥か地球を見下ろす静止軌道上に浮かぶ、六角形の宇宙ステーション。
人呼んで『スペースペンタゴン』その内部、最上層のVIPルーム。
照明を絞った薄暗い室内に置かれた円卓を、14脚の椅子が囲う。
「…では、僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称『フォーティーン』。本日の定例会議を始めます。議題は一酸化バリトンニューム機関実用化に向けての試作型ロボット、仮称『スペースロボット・Xカー』量産計画の進捗について、そして、それに伴う情報漏洩についてです。」
円卓の一角。
<当番>と書かれたポップの置かれた席に座る男が手元のレジュメを読み上げる。
「あっ、それについて?…なんだけど…ねえ…。」
暗闇の奥。
たぷたぷ震える小太りの声が、言い難そうに口を挟む。
「発言は挙手をしてからお願いします。」
ムッとした様子の<当番>の男が、刺々した口調で注意を与える。