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「んぁ…っ痛ェ。」
ハンンサムなスナイパー、ターゲットが頭を抑え起き上がる。
「ああ、生きてましたか。」
眼鏡のエンジニア、ラジオコントロールが興味なさげに声を掛ける。
「是…ったくあの糞馬鹿…馬鹿は?」
「行きましたよ。決着をつけにね。」
「まーた妙な親心かけて失敗するんじゃねえだろうな?」
「そんなタマですか、アレが。」
暫し沈黙、柔雨の中。
二人のギャングは溜息を吐く。
「ひょっとしたら…彼。何度もやり直しながら探していたのかもしれませんね。Xカー君と、ともに生きられる可能性の世界を。」
「そんな殊勝かよ、糞馬鹿が。」
再びの沈黙、二人の見上げる灰色の空。
「…仕方ねェな。今回の愚行は許赦してやるか。」
「優しいんですね。」
遠く、小さくボムンと一回。
爆発音と煙が上がる。