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「ちぇー。一人だけイイ思いしやがってぇー。まったくよぉー。こっちはオバマを無事持ち帰れる選択肢に入れるまで、都合2ケタ以上死ぬような目に遭ってるんですがねぇ?今のキミが在るのはこの俺のお陰ですよ?感謝をしなさいよ感謝を。」
馬鹿が口を尖らせる。
また訳の解らない事を言っているな。
前回の仕事は順調も順調。
それこそ。
まるで何度も予行練習を繰り返して、失敗する可能性を予め全て排除してあったかのように。
何ひとつ躓くことなく、信じられないくらい順調に進んだはずだが?
俺の記憶によればこの馬鹿は、ヘラヘラ笑いながらウロウロしていた覚えしかない。
そもそもが馬鹿、裏稼業で今まで1度でも役に立ったことがあっただろうか。
考えば考える程。
俺が何故このような愚かな馬鹿と組んでいるのか、解らなくなる。




