627/1502
6 - 182
ハンサムなスナイパー、ターゲットの呼吸が次第にその音を潜め、左の瞼が閉じられる。
狙撃手の真骨頂。
狙った獲物は絶対に逃がさないと有名だという、彼の「仕事」が始まったのだ。
ゾーンに入った彼の集中力が、その周囲さえ凍らせるかの如く。
凛、と冷たい空気が流れる
「おい。理解してるとは思うが、この期に及んで絶対に邪魔すんなよ。絶対に、だ…なんだ?その右手に持以ってんのは。」
緊迫した空気を破り、口を開いたのは意外にも。
「仕事」の最中のスナイパー、ハンサムなターゲット自身である。
彼の隣では止まらない男。
ノンストップ・ラヴェンダーがヘラヘラと笑い。
バチバチと輝く不思議な棒を、おもむろにターゲットへと近づけている。
「気づきました?これ、電撃イライラ棒。」
「おい。」
凍った空気が一瞬に溶ける。