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「見事に囲まれちゃってるねえ。さすがXカーくん、容赦ない攻めだ。」
止まらない男。
ノンストップ・ラヴェンダーの口調には若干嬉しそうな節がある。
「集まってくれたのなら逆に好都合でしょう。」
眼鏡のエンジニア、ラジオコントロールの口調には眼鏡をクイッとやる動きが乗る。
「…あの筋肉、超燃費悪りぃからなあ。」
ハンサムなスナイパー、ターゲットの口調には読みづらいルビが振られている。
画面の中では半裸の筋肉サイボーグ、ソニックが。
まさに行く手を壁に阻まれ、ぴたりとその歩を止めている。
ピコーン、ピコーン。
輝く戦車や装甲車輌と、半裸の男の睨み合い。
数瞬の静止、凪を経て、360度一斉に。
崩れて群がる波、波、波。
襲い掛かるは蒼白き波涛、硬く重き鉄の牙。
彼を呑み込まんと雪崩れくる。
収束し、縮まる円の爆心点。
突如空気の渦が膨らむ。
暴風の柱が屹り立つ。