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「ふう。」
眼鏡のエンジニア、ラジオコントロールが眼鏡をクイッとやる。
「どうにかコントロールは奪えたようですね。我が社の遠隔操作システムもまだまだ捨てたモンではないでしょう…なんですか?」
「我が社、ね。相変わらず愛社精神のお靭いことで。」
「我が社!うん、我が社!」
うっかりと口をついた禁止ワード。
仲間二人のからかう声に、眼鏡の奥の眉が縮まる。
「遊んでないで次の手筈を整えて頂けませんか?この作戦、あなた方が肝なんですから。なんせ、相手は情報伝達の歴史を変える程の画期的な通信システム…こっちの遠隔操作がどこまで通じるかわかりませんし、下手すれば逆に僕のPCまでピコーンピコーン言い出しかねません。今回の僕はあくまでフォロー、結局は直接攻撃でいくしかないんです。」
棘のある言葉とともにタッタッタッと、眼鏡が感情をタブレットへとぶつける。