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「確かに。一介の狙撃手の出る幕じゃないわね。」
意味ありげに。
美女が払と溜息を吐く。
言外に。
貴方は「一介の狙撃手」ではないでしょう?と匂わせる。
「…でも。巷で噂の、天下御免の何でも屋。『5人のギャング』なら、如何かしら?」
期待していた、一流、超級、名人、達人、天才。
それらの類のお世辞は出ず。
ああ。
裏稼業か。
ようやく合点がいく。
只者ではないと思ってはいたが。
畏れ入る。
裏稼業の方までご存知とは。
俺達も名前が売れたものだ。
「ごめんなさいね。別に騙す算段はなかったの。効率的に接触の取れそうな方法を選ばせて貰っただけ。」
僅かに目に浮かぶ謝意、後ろめたさ。
この言葉に嘘はないようだ。




