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イラツシャイマセ。
警備員人形が出迎える。
流暢な挨拶だな、宜しく。
財布から駐車券を取り出し、渡す。
88番。
俺の当たり数字だ。
オカエリナサイマシェ、ゴシュジンタマ。
警備員人形が恭しく頭を垂れる。
…で。
轟云、轟云と廻る機械駐車場。
その音を背に、向き直る。
魅惑の美女へ問い掛ける。
たしかに興味深い話ではあるが。
その件について。
一介の狙撃手であるこの俺に、あんた。
一体何をさせようと言うんだ。
右手で拳銃の状を造作る。
犯人どもを見つけて、皆殺し。
バキュン。
空を撃つ。
…なんてのは、趣味じゃないぜ。
これでも狙撃には美学があるんでね。




