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ガシャリ……ガシャリ。
機嫌を損ねたかの如く。
それまで規則正しく続いていた足音が、無言の応答を間に挟み。
僅かな遅れを生み出している。
「あぁ!ごめんねえ、気を悪くしちゃったよねえ、そうだよねえ。そうならないためにナイトインアーマー君が、わざわざ出張ってくれてるんだもんねえ。いつも大変なことばかりお願いしちゃって申し訳ないねえ。すまないねえ、すまないねえ。」
ぶるぶる震える小太りの声。
返されるのは無言の応答。
ガシャリ………ガシャリ。
さらに足音の感覚が開く。
夜の街。
輝くネオンの光の渦、それとは離れた路地裏の一角。
ぼんぼりのようにポツリポツリと、淡きに灯る謎の発光。
ピコーンピコーンと光り続ける自動車、掃除機、洗濯機。
それらを従え、奥に鎮座すはポットを抱えた謎のロボット。
足音の主、甲冑の騎士が歩みを止める。
「抹殺シマス。」
謎のロボットが言葉を発した。