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「まあ、確かに手遅れですね。」
眼鏡クイッ。
他人事だねえ、冷たいねえ。
でもボクは知ってるよ、その、眼鏡の奥にはやさしい瞳が隠されていることを。
「眼鏡を奪わないでもらえませんか。僕のアイデンティティが崩壊しますので。…?」
あれ。
どったの眼鏡くん。
いや、今は眼鏡がないから眼鏡じゃないくん。
何かまじかった?
「あ、いえソレ、そのコーヒーポットに入ってるの、一酸化バリトンニュームですよね?さっきから変な光を放ってる。」
うん。
ターゲッちがいつもおコーヒーのかわりに飲んでるやつ。
飲んでみる?
揉んでみる?
モンデミーテ。
なんでもない。
「いえ、遠慮しますが…一酸化バリトンニューム、一定以上の量、濃度、密度…。」
なんか眼鏡くんもぶつぶつ言いはじめちゃった。
わかんないしつまんない。
ターゲッちで遊ぼうっと。
はい、おコーヒーですよ。
サアサ吞々お飲みにナッテ。