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「まあまあ皆さん…確かに彼の言うことも一理あります。私も彼が毎回<当番>を勤めていることに軽い疑問を抱いてはいたのですが。」
円卓の一角、闇の中から穏やかな声。
「おっと。失礼。」
苦笑しながら右手を挙げる。
「ちなみに、彼の次の<当番>の方は…?」
大柄な身体がぐるり室内を見回す空気。
それにつられて各人各々、きょろきょろ互いを見回す空気。
部屋の空気が左右に振れる。
「ハー!!」
円卓の一角。
闇の中から奇声が上がる。
カッ、と照らすスポットライト、光の中に変な男。
ピンと背筋を伸ばし、挙手をしている。
変な男である。
「摘まみ出せ。」
<当番>の男が手元のボタンをポッチと押し、変な男の足元がパッカと割れる。
ピンと背筋を伸ばした無駄に良い姿勢のまま、変な男は宇宙に飲まれる。
「えぇ、若干不思議な展開がありましたが。本日の議題に移りたいと思います。」
<当番>の男が議事を進める。