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「この…定例会議の。<当番>、なのですが…。」
<当番>の男は言いづらそうに、ぽつり、ぽつりと言葉を発する。
「その。先月からずっと…僕がやっているような気がするんですが。当番制が機能していないというか。このままだと僕の名前が『<当番>の男』で固定されかねん状況なので…。」
沈黙の時間がチクタクと流れる。
円卓を囲む空気は「何を言っているんだこいつは?」が半分、「あ、こいつの名前『<当番>の男』じゃなかったんだ」がもう半分、と、いったところであろうか。
「先月とは?」
円卓の一角から声が上がる。
「…話数で言うと150回ほど…リアルな時間で半年くらい、前…?」
<当番>の男が宙を見上げ。
「んン?」と不思議そうに首を捻る。
「先月の話じゃなかったのか?」
「しっかりしろよ『<当番>の男』。」
「メタなツッコミ入れてないで本題に入れ。」
円卓の端々から<当番>の男を野次る声が上がる。