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バウンドしたストップウォッチがまた俺のところに来たな。
キャッチボールか。
朝は忙しいんだから、遊んでいては駄目なんだぞ。
俺は看守にストップウォッチを返してやりながら注意する。
「こ…の…ッ!いいか!貴様らァッ!!貴様らの起床・整列の遅れ!もしこれが緊急出動の場合であればどうなる!?え、どうなる!?救援の遅れた友軍は全滅!戦線は壊滅!国土は侵略され、無辜の国民が殺戮される!国家は崩壊だ!いいか、全部お前らクズどもが!グズなせいでだぞ!!お前らは罪を償うためにここにいるんじゃあないッ!まともな兵士として今一度、国家の役に立つため!すべては更正のため訓練と知れ!!」
そうか。
看守のやつは何か難しいことを言っているが。
起床・整列が済んだら次は点呼じゃなかったのか。
今日の予定に訓練はないぞ。
点呼が済んだら次は飯だ。
腹が減ったから早くしろ。
早くしろと俺は伝える。