433/1502
5 - 140
カラカラと。
乾いたタイヤの音を立て、謎のロボットが室内を進む。
謎の威圧感に気圧され。
あれほど殺気立っていたはずのターゲットが、思わず構えたライフルを下ろした。
「ハッシャシマス。」
にゅイと伸びた蛇腹状の腕。
謎のボタンや計器、レバーやスナギモなどを次々と、無駄のない動きで操作していく。
立ち並ぶ謎の装置群に続々電子の光の明かりが灯る。
床、壁から伝わる振動、動力が息を吹き返す音。
「起動てんのか…?この円盤…。」
目を丸くして状況を見守るハンサム。
「あ、ターゲッち。あっちに空飛ぶ広末涼子。」
不意に指された方向へ、釣られて顔を向けるターゲット。
その端正な横顔に鉄拳が飛ぶ。
「一発は一発だからね?」
ハンサムのターゲットを殴り倒した止まらない男。
ノンストップ・ラヴェンダーが大股で操縦席へ近づいていく。
合衆国軍宇宙艦隊の総攻撃開始まで。
30秒。