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「ま、でもアレだよねえ。あんたが統括してる軍刑務所とS級囚人ソニックの管理、ならびに共和国軍の見つけたGP-01fbの保管および研究。そのへんはぼくがしっかり引き継いでおくから、安心して暗殺されて欲しいんだよねえ。」
小太り男の非情な台詞。
口髭男は返す言葉もなく絶句する。
「あんたをひと思いに殺らなかったのはねえ、そのへんをちゃんと伝えておきたかったのと。あと。こちらの遺書に最終的なサインを頂かないと、いけなかったんだよねえ。」
小太りが差し出す1枚の遺書。
高速突撃挺・ノルマントン号の中で。
彼が丸まって震えながら書いていた、あの遺書である。
ぱん。
拳銃が鳴り、口髭男の左手が大きく跳ねる。
「ぐぅがぁっ!!」
哀れな口髭男の悲鳴と共にガクガク震え出す左腕の筋肉。
びくんびくんとおもちゃのように、彼の左手だけが動き始める。