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ぱん。
ぱん。
ぱん。
拳銃が気の抜けた音を立て。
右手、右足、左足。
口髭男の三肢を貫く。
「あ…ッ!?…がァアアアッ!!貴様ッ!貴様ッ!貴様ァッ!!」
身体的激痛と精神的衝撃。
口髭男はその場にのたうち回り、呪詛の視線で小太りを睨み上げる。
「あんたみたいな小者が。ぼくたち…『我々』、『僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称、フォーティーン』を出し抜こうなんて。甘いんだよねえ、甘いんだよねえ。」
小太りの部隊長はいたぶるように。
甘いんだよねえ、甘いんだよねえと口髭男の唯一無事な左手を踏みにじる。
「貴様…は?」
「何か」を察した口髭男が目を見開き。
驚愕をもって小太りを見上げる。
「椅子の数の辻褄が合わないことに気がつかなかったのかな?無能だよねえ、本当無能だよねえ。指揮官が無能だと部下は苦労するんだよねえ。」
小太りは勝ち誇った瞳で見下ろしている。