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「(く…冗談ではないッ…!逃げなくては、早急にこの場を離れなくては…!!)」
4人のギャングたち、もとい。
結成されたばかりの『5人のギャング』が去った部屋。
他に動く者のなくなった室内で一人、口髭の男が這い進む。
割れた片眼鏡。
狂暴人間と化したターゲットに容赦なく半殺し…八割六分程度殺しにされたその姿にかつての威厳はなく。
ボロ雑巾。
そんな言葉で表現されるのが適切である状態の彼は、正に命からがら。
いま現在、宇宙一危険な場所であるこの室内からの逃走を必死に試みていた。
「どこに行くつもりなのかなあ?」
その行方を立ち塞ぐかのように。
嘲るような声が彼の頭上から言葉を投げた。
「貴様…!?」
顔を上げた口髭男は相手の顔に愕然とする。
「まったく…部下を見捨てて自分だけ逃げようとか。指揮官として最低なんだよねえ。」
小太りの部隊長が。
蔑んだ目で口髭男を見下している。