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「ロボットのなかにはマスカットがひとつ…マスカットがひとつ…あれ。おねだりマスカット。」

馬鹿がポッケをがさがさとやる。

なんだ。

飯はまだか。

「ノーマスカット、ポッケないない。んー、これは困ったなあ。」

馬鹿はあたりをきょろきょろしている。

なんだ。

飯じゃないのか。

トイレならそれだぞ。

トイレならそれだぞと俺は思う。

「ロボットをたたくとマスカットがふえる。」

「増えません。0には何を掛けても0です。諦めてください。」

眼鏡は眼鏡をクイッとやる。

なんだ。

ロボットを叩くのか。

いじめみたいなことはやめろ。

いじめみたいなことはやめろと俺は思う。

「万事キュウス…電気ポット。」

「面白がってやたらと食べ物を与えるからですよ。どうするんですか?」

「笑えばいいと思うんだ。」

「笑えません。」

「うるせえ、死ね。」

「いきなりキレないでください。」

こいつらは本当に仲がいいな。


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