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ありがとーう!
ありがとーう!
スーパースターよろしく。
全世界へ向け笑顔を送る。
大きく手を振る。
ありがとーう!
こちらにも。
ありがとーう!
あちらにも。
ありがとーう!
そちらにも。
げえ。
ありがとーう!と振り向けばそこには、半裸の鬼が仁王立ち。
バキッ、ボキッと拳を鳴らす。
「おい。腹が減ったぞ。」
いや。
いやいやいやまてオッサン。
間違っていますよ?
その拳は心優しいリーダーではなく。
先ほどから貴方に無慈悲な銃弾を浴びせまくっている、ポリスメンズに向けるべきでは。
ないのでしょうか?
空腹を暴力を用いて訴えようとする半裸のオッサンの傍らでは、ロン毛と眼鏡が楽しそうにニヤニヤ笑っている。
腐れ。
コイツら。
まさかここで、このような裏切りに遇うとは。
この俺のリーダーの座がそんなに欲しいか。
そんなに欲しいか!?
ジリジリと眼前に迫る筋肉。
突き刺さる悪意。




