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「そいつはできない相談だな。」
イケメンターゲットがフフンと笑う。
肩なんかすくめて、アメリカ人かよ。
とりあえず眼を開けろ、どっち見てんだこっち向け。
「ワンショット・ワンキル。それが狙撃手としての俺の美学だ。乱射で皆殺し、なんてのは趣味じゃねェ。」
はいはい。
で、なんでアンタはいつもそう自慢気なんだ。
いい加減にしないと眼鏡がキレるぞ。
「ああ、そうですか。おめでとうございます。」
眼鏡ラジコンがイライラと画面をタップ。
タッ、タッ、タッ、とコマンド入力。
ボーン、ボーンとあがる爆音、テキトーに吹っ飛ぶポリスメンカー。
ちょっ、眼鏡眼鏡。
八つ当たりすぎ。
やっぱりアレはこいつの仕業か。
この眼鏡、案外短気だからなー。
日々の生活で溜まったストレスを、こんなところで真面目に働いている公務員の皆さん相手に発散するんじゃあない。




