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「ほらオッサン!お仕事お仕事。さあ、立って立って。」
馬鹿が脇からプリンを差し出してくる。
そうか。
仕事か。
馬鹿のプリンを俺は食べる。
モリモリとプリンを食べる俺の頭上。
眼鏡の呼んだ衛星軌道ミサイルが迫る。
「やったって!やったって!」
馬鹿がちょいちょいと合図する。
せっかちだな。
俺はプリンをゆっくり食いたいんだ。
プリン食い終わるまでちょっと待っていろ。
ちょっと待っていろと俺は思う。
食い終わったプリンのカップを前に、両手を合わせてごちそうさまでした。
プリンのあとはごちそうさまでした。
軍刑務所でも現場でも変わらぬルールだ。
さて、仕事か。
俺は近づいてくるミサイルに向かい、拳を大きく振り上げる。
衝撃波。
銀河最強のサイボーグ。
この俺の拳は音速を超え、大気の壁を突き破り、暴風となって敵を捉える。
ソニックという俺の名前の由来だ。




