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「攻撃開始ですって。」
眼鏡が眼鏡をクイッとやり。
タブレットの画面をタップする。
「是あ。現状ァは早急いとこ、『方向を変えて』頂かないとなぁ?」
長髪はライフルを構え。
安全装置をガッシャと外す。
「ハッシャシマス。」
ロボ公の目がピカピカと。
謎の点滅を繰り返している。
「あれ?どうしちゃったのキミタチ。敵はあっちだよ?ねえ僕のキミタチ。」
ヘラヘラした笑顔をひきつらせながら。
じりっ、じりっ、と。
後退りをする馬鹿を中心に。
俺たちを囲む兵士、戦車、装甲車。
盾を構えた機動隊員。
さらに外周の野次馬共。
空からヘリ、海からボート。
じりっ、じりっ、と。
次第に包囲の輪を狭める。
まずい雰囲気を察したのか。
そそくさと俺の背中に馬鹿が隠れる。
なんだかよくわからんが。
俺もこいつを殴ればいいのか。
殴ればいいのかと俺は思う。
おい。
腹が減ったぞ。




