283/1502
4 - 68
「飲んでる場合か。ほら、出発くぞ。」
ターゲットはいそいそと上衣を羽織ると、テーブルの上からオバマのキーを拾い上げる。
「えー。」
止まらない男。
ノンストップは心底不服であるようで。
座布団に根を生やしたかの如く、まるで動こうとすらしない。
「放置とけねえだろうが…。あのオッサン、単身にしといたら真面目で、世界中の軍隊が全滅する最後まで諦めずに戦い抜いて、しかも勝利ちまうぞ。」
ほら、ほらと。
ターゲットは止まらない男。
ノンストップを叩いて立たせようとする。
「マアマアマア…そう焦るなよターゲッち。急いでスピンって言うじゃない。急ぐ時ほど視野を広くして、まったく別のことをやってみようという意味です。とりあえずコーヒーでも飲みなよ?今朝のブレンドには自信があるんだから。」
止まらない男。
ノンストップはあくまでも動こうとしない。




