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「え、つぎぃは、ハヤカワキヤノン。ザネクストステイションイズハヤカワキヤノン。リーチイントゥアホウ、ショマーンシップライン。」
車内アナウンスがのんびり伝える。
物静かな月明かりの下、湾岸線をガタゴトと。
揺れる電車に謎のロボット。
マシーンマンが乗っている。
タイヤの付いている彼が乗り物に乗る意味はあるのか。
ましてや座席に座る意味があるのか。
それは彼にしかわからないが。
側面にタイヤの生えた不恰好な身体で、器用にも彼はボックスシートの座席に座り。
時おり何かを受信してピコピコポンと光りつつ。
ガタゴト電車に揺られている。
何かを受信した彼は不意に、座席からぴょこりと飛び降りるが。
そこでガコンと電車が止まる。
「きゃ。」
短い悲鳴。
向かいの女性が急な停車に身体の重心、バランスの修正が間に合わず。
宙を掻いた腕で思わず手頃な謎のロボット。
マシーンマンの頭にしがみついてしまう。




