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「ひどいものだねえ。都市警察ご自慢の超エリート部隊、第五機動隊もさすがに、相手が悪すぎたようだねえ。」
キュラキュラキュラと。
ハイウェーをキャタピラーが進む。
戦車のキュッポラから顔を覗かせた、小太りの看守長が困った顔をしてみせる。
「軍隊の到着を待つようあれほど念を押したのに、警察の諸君ときたら。ちょっかいを出しちゃったんだねえ。お馬鹿さんだねえ、お馬鹿さんだねえ。」
キュラキュラキュラと。
ハイウェーをキャタピラーが進む。
装甲車。
消防車。
救急車。
霊柩車。
様々な車輌がひっくり返り、折り重なって積まれた小山が。
その真ん中に通り道を1本。
綺麗に空けて両脇にキチンと並べられている。
死屍累々。
黒い煙と呻き声の上がる中。
まるでそのために空けてあるかのような1本道を、キュラキュラキュラとキャタピラーが進む。




