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「お電話だよ?ソニック君。」
ニコニコと笑いながら。
看守長が俺に携帯電話を手渡してくる。
もしもし。
『ハッシャシマス。』
電話の向こうでロボ公が応える。
なんだ。
ロボ公か、どうした。
俺は電話の向こうのロボ公に応える。
「そうだよねえ、そうだよねえ。いま電話室は使えないもんねえ。そりゃあ僕の携帯電話にかけてきても、何もおかしくないよねえ。」
電話で話す俺の横で、看守長がウンウンと頷く。
余った下腹の肉がたぷたぷ揺れる。
「おかしくないよねえ?」
「サー!イエッサー、サー!」
「おばか!!」
看守長たちが騒いでいるが。
うるさいぞ。
電話がよく聴こえない。
静かにしろ。
静かにしろと俺は思う。
『ハッシャシマス。』
ああ。
『ハッシャシマス。』
なに。
『ハッシャシマス。』
そうか。
『ハッシャシマス。』
今夜8時にヨクフカ港だな。
わかった。
わかったと俺は応えて電話を切る。




