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「こんな朝からまた君たちは、いったい何をさわいでいるのかな?さわいでいるのかな?」
機関銃を持った看守たちを引き連れ、小太りの看守長が姿を見せる。
なんだ。
これから作業だぞ。
手伝いにきてくれたのか。
手伝いにきてくれたのかと俺は思う。
「いるのかな?」
いるのかな?と看守長は、当番看守の頭を掴む。
「サ、サ、サ…。」
声を震わせ、血の気の引いた顔で当番看守はサ、サ、サ…と呟き続ける。
「さ?」
看守長が首を傾げる。
「サー!イエッサー、サー!」
叫びを上げる当番看守。
「おばか!!」
当番看守を看守長が殴る。
「まったく…またなのかい?ソニック。真面目で優秀な当番看守をいじめるのは勘弁してくれよ。」
ニコニコと笑いながら、看守長が近づいてきた。
なんだ。
やっぱり、あの当番看守は真面目で優秀な奴なんだな。
看守長が言うんだから間違いないだろう。
間違いないだろうと俺は思う。




