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「どしたの眼鏡くん、花粉症?」
暖かい春の陽気。
和かな陽射し差し込むマンションの一室。
止まらない男。
ノンストップがいかにも心配そうに、先ほど大きなクシャミをした眼鏡。
ラジオコントロールに声をかける。
「…失礼しました。」
陽気にあわぬ大クシャミ。
ラジオコントロールは不思議そうに、ハンケチをあてて口元を拭う。
「まーたどこぞの、ボインのカワイコちゃんの噂になってるんじゃないの?イヨッ音羽屋!待ってました!イヨッイヨッ!」
止まらない男。
ノンストップは時代遅れの、しかし最近どこかで聴いたばかりのような文言で眼鏡を冷やかす。
「…で。一体なんなんだ其奴は。」
不機嫌そうにソファに身体を預け、両脚を投げ出している長髪のハンサム。
ターゲットがイライラとした様子で眼鏡に尋ねる。
「さあ?なにかの部品だとは思いますが。」
眼鏡は摘まみ上げた部品をくるくる器用に回してみせる。




