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「…例のギャング団。現れたと聴いたが。」

闇に包まれた部屋の片隅。

くぐもった低い声がぼそりと呟く。

置物のように静止した甲冑の騎士。

僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称『フォーティーン』。

その、幹部の一人であるナイトインアーマー、その人である。

「そうそうそう、例のちんぴらもどきくんたち。なんだっけ名前、白浪五人男!とか言ったっけ。また、僕たちの邪魔をしに現れたんだよねえ。こまっちゃうよねえ。」

こまっちゃうよねえ、こまっちゃうよねえ、と。

小太りの男がいかにも心配そうに身体を揺する。

動きに合わせて余った下腹の肉がたぷたぷと揺れる。

「イヨッ、オトワヤッ!マッテマシタ!ハー!」

円卓の一角から変な声が上がる。

変な声である。

「…摘まみ出せ。」

<当番>の男が卓上のボタンをポッチと押し、変な声の主は床に空いた穴から暗黒の宇宙空間へまっすぐ落ちていった。

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