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爆発、爆圧、爆風。
吹き飛ぶ看守、崩れる電話室の壁。
もうもうと立ち籠める土煙の中から、黒のオバマが顔を出す。
「ハッシャシマス。」
オバマのパワー・ウィンドウがウィーンドゥ。
運転席のロボ公が俺に声をかける。
なんだ、お前だけか。
こいつら。
どんどんやり方が雑になっていくな。
最初の頃は軍の命令書を偽造したり。
医者だの神父だのに変装して、俺を迎えに来たものだが。
最近はすっかりロボ公任せ。
強引に俺を拉致していく。
壁を壊したりして。
軍刑務所の連中が困るんじゃないのか。
困るんじゃないのかと俺は思う。
「ハッシャシマス。」
運転席のロボ公が急かす。
そんなに急がなくても大丈夫だぞ。
今は作業の時間だからな。
他の連中は作業中だ。
俺はオバマの助手席に乗り込む。
「いたぞ!逃がすな!!」
わらわらわらと。
走り集まる看守たち。
なんだ。
今は作業の時間じゃないのか。




