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「飯はまだだ!!」
見回りの看守が叫ぶ。
そうか。
ところで、おい。
これは食ってもいいのか?
俺は四角の穴にマルを嵌め込んだ部品を看守に摘まんで見せる。
「食うな!!」
バシーン、と。
見回りの看守の革鞭が作業台を叩く。
衝撃で積み上げられた完成部品が。
そこ、かしこでばらばら崩れ、おーぃ、というどよめきが起こる。
「なんだあ!文句あるのか貴様らあ!」
バシーン。
ばらばら。
「…くっ。」
見回りの看守は気まずそうな顔をする。
「とにかく、飯はまだだ!黙って作業を続けろ!!」
見回りの看守が革鞭を振ろうとして、困った顔で引っ込める。
3回目はやらないらしい。
前の失敗をしっかり自分の人生に生かしているな。
若いのによくできた奴だ。
よくできた奴だと俺は思う。
ところで。
おい。
腹が減ったぞ。
「飯はまだだと言っているだろうがあ!!」
革鞭がバシーンと鳴り、ばらばらと部品が落ちる。




