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「右むけい、右い!!作業場に向かい、全隊前え、進めい!!」
先頭の看守が号令をかける。
どうやらようやく作業場に向かえるようだな。
ここはわけのわからないことが多くてこまる。
時間になったら、起床、点呼、飯、作業。
それだけでいいのに何故か毎日。
騒いだり、銃を撃ったり。
突然あたまのおかしくなったりする奴が出る。
何か特別な理由があるのか。
特別な理由があるのかと俺は思う。
「ダラっとするなァ!メカクローン兵のようにシャキシャキ歩かんかァ!」
機関銃の銃口を向けながら看守が叫ぶ。
列の前後、左右、囲むように。
機関銃を構えた看守が付き添う。
作業場に行くだけだというのに。
まるで凶悪犯罪者でもいるような警戒の仕方だな。
何かあったのか。
何かあったのかと俺は思う。
「あ、君。あの小便小僧片付けといて。」
看守の一人に看守長が言う。
ダダッと、後ろで短い銃声が上がった。




