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「いいかァ!貴様らァ!!貴様らはクズだ、戦場で血肉を分けた家族より深い絆の同胞を裏切り!自らを育んだ国家に損害を与え!それでもなお、銃殺されることもなく恥ずかしくも生きているクズ中のクズ中のクズ、キングオブクズ!キングクズだ!クズダンスでも踊るか!?おい253番どうなんだ!クズダンスでも踊るか!?」
当番看守が革鞭の先端で253番を指す。
253番の男は足踏みをしながら、両手をくるくると水車のようにまわす。
「馬鹿野郎ッ!!」
パシーンと。
当番看守の革鞭が253番を殴り倒す。
「そんなことだから貴様らはァ!!クズだと言っておるのだァ!!いいか、貴様らクズは慈悲深き国家の寛大な裁量に心から感謝し、誠心誠意を込めて本日も作業にあたれ!!以上ッ!では、2列縦隊にて食堂に移動ッ!!」
終わったか。
飯だな。
ようやっと飯か。
俺は右向け右で向きを変え。
238番に続いて前に進む。




