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「274!」
「275!」
点呼が進んでいく。
まだか。
おい。
腹が減ったぞ。
「276!」
おい。
「277!」
まだか。
「278!」
腹が減ったぞ。
当番看守は伝える度に。
苦々しげに俺を睨み、ギリと噛み締めた奥歯を鳴らす。
「279!」
「280!以上!50名!」
「遅いッ!!」
当番看守の革鞭が唸り、280番をパシーンと叩く。
「貴様らふざけてんのかァ!?たかだか50、数えるのに何時間かかっておるのだァ!このクズどもがッ!小学校からクソッタレな人生やり直してこいッ!!」
ああ。
たしかに時間がかかった。
早く飯にしろ。
腹が減ったぞ。
当番看守に俺は伝える。
「あァ!?今言ったのはどいつ…!チッ!!」
振り返った当番看守。
俺の顔を見て舌打ちをする。
クスッ。
クスッ。
列のあちこちから漏れる失笑。
「笑うなァッ!!」
当番看守の革鞭が鳴る。




