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起床のベルが鳴っている。
朝だな。
朝なら起きるか。
今日も変わらず俺は起きる。
「起床ーッ!起床ーッ!廊下に整列ーッ!」
当番看守が叫んでいる。
叫ばなくてもわかるぞ。
今日も変わらず俺は起きる。
今日も変わらず廊下に並ぶ。
「なにをモタモタ、だらだら!貴様らァッ!お城のパーティにでも行く気かァ!?さっさと出ろ!俺に手間を焼かせるんじゃァないッ!!」
廊下に並んで俺は待つ。
なんだ。
モタモタ、だらだらしている奴がいるのか?
朝が早く、時間に厳しいのは部隊でも軍刑務所でも同じだろう。
毎朝モタモタ、だらだらする奴がいるらしいが。
俺にはそいつらの気が知れん。
「点呼ーッ!端から番号ーッ!!」
叫ばなくてもわかるぞ。
毎朝のことだからな。
端から順に番号を数えて。
239。
それが俺の番号だ。
「237!」
「238!」
俺の番だな。
ところで、おい。
腹が減ったぞ。




