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「馬鹿野郎!撃つなよ!!オバマだぞ!」
長髪のハンサム。
ターゲットが、忌々しげに叫ぶ。
常日頃、小粋なクールガイを標榜する彼だが。
彼の認める「芸術品」を手荒に扱うような無粋な輩に関してはその限りではなく、語気荒く対手を罵る様子を見せる。
「2010年代最高と言われる名車!走る芸術!黒い宝石とまで言われたこのオバマ輝く黒ボディの芸術的価値がわからねえのかよ!!これだから無学で無粋なクソッタレの警察野郎はよ!!」
彼の失礼な言い回しが真面目な公務員たちの怒りを買ったのであろうか。
銃撃はますます激しさを増し、ターゲットの端正な顔面スレスレを掠めた弾丸がビシィ!と音を立て、オバマのボディに新たな風穴を空ける。
「美しいオバマに傷がつくだろぉが!!」
泣きそうな顔で長髪のハンサム。
ターゲットは、叫ぶ。




