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突然に大きく揺れたクレーンが。
急角度で甲冑の騎士の後頭部を殴り倒す。
「クレーンの旋回範囲に入るから…。」
「危険予測が出来てねえな。現場では安全帽を着用しろ。」
バッタリ倒れた甲冑の騎士は。
よほど当たりどころが良かったのか、既にピクリとも動かない。
「せっかくカッコよく歩いてたのに…。おーい旦那、ヨロイの旦那ァ、大丈夫かぁ?」
止まらない男。
ノンストップが無様に倒れた騎士をつつく。
「殺す!!」
ガバリと跳ね起きた甲冑の騎士が長剣を振り回して襲いかかった。
「俺じゃないじゃん!!心配してあげたじゃん!!」
飛び退いて逃げ出す止まらない男。
ノンストップを追い、甲冑の騎士が疾り出す。
「おいおい!現場で作業するときは周囲の状況をよく確認して…」
言い終わる前に。
振り子のように戻ってきたクレーンが、騎士の顔面に強烈なカウンター・パンチを喰らわせる。