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月明かり。
闇の夜空に凍る三日月。
黒の帳の下りた鈍色の路上。
大、中、小。
でこぼこ不揃い横一列に、4つの奇妙な人影が立つ。
4人の視線の集まる先は、静かに聳える大工場。
嵐の前の静けさか。
動かざること山の如く。
その営みを停めている。
寒風肌刺す、冬の夜。
「…で。なんであの眼鏡は集合てないんだ?」
長髪の狙撃手。
ターゲットが不満げに言う。
「このオイストリッヒ社工場の強襲計画はあの眼鏡の発案のハズだが?」
イライラと揺する身体、ロングコートが夜風にはためく。
「さァ?大方、ボインのカワイコチャンとでもどっか、よろしくシケこんでよろしくやってるんじゃないの、よろしく。」
止まらない男。
ノンストップがやる気のない答えを返す。
スウェットの上下に羽織ったドテラ。
その服装からもまるでやる気は感じられない。