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「ねぇ!?なんで!?ねえ!?私が悪いの!?ねえ!?」
ニイヤマ課長は繰り返し繰り返しおっしゃいます。
ねえ!?ときかれましても。
それは僕のせいではありません。
眼鏡は答えますが。
「わかっているわよ!!」
課長は怒ってしまわれます。
わかって頂けたのなら幸いです。
実際のところ本社を爆破したのは僕ですので。
多少は責任を感じないでもなかったのですが。
課長にそうおっしゃって頂けるのなら、眼鏡は悪くありません。
今後気にしないことにします。
「今までずっと…ずっと必死にやってきたのに。こんなことってあるの…?」
俯くニイヤマ課長どの。
そのお美しい眼鏡の縁を、涙のしずくが伝います。
まあ。
そんなこともあるんじゃないですか?
仕事ですし。
「『そんなこと』!?」
眼鏡の答えがよほどお気に召さなかったのか。
課長は立ち上がらんばかりの勢いで髪を振り上げ、眼鏡を睨み付けています。