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がぶがぶがぶと。
喉をならしてジョッキを空ける愛しのニイヤマ課長どの。
ガーンと乱暴に机を叩き、眼鏡が眼鏡を睨みます。
「…まったく、信じられる!?」
信じられる!?きかれましても。
眼鏡にはなんのことやら理解しかねますが。
「ムーンロケットはねぇ!?私がイチから立ち上げて、ようやくあそこまで形にしたプロジェクトなの!!そりゃもう、プロジェクトがスタートした時は、散々な言われようだったわ!現場も知らない小娘の浅知恵だ、顧客のニーズはそんなところにないんだよ。わかる!?自分より遥かに頭の悪い連中が、自分たちのお粗末なオツムで理解できないからって。遥かに優れた人間の考えを、寄ってたかって否定して!それがうまくいかなくなると、今度は個人への人格攻撃!くだらないセクハラ!」
なにかのスイッチが入ってしまったのか。
はたまたなにかのスイッチが切れたのか。
ニイヤマ課長は早口でまくし立てます。