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「はぁ!?あなた…ねぇ…。」
心底呆れたというご様子で。
美貌の才女。
否々。
美貌の才媛、ニイヤマ課長が溜め息をつきます。
同じ飲むのなら安い方がお得かと思いますが。
何か問題があるのでしょうか。
ニイヤマ課長は社内でも右脳派の切れ者と有名な方ですので。
その思考は眼鏡には理解が及びません。
「いいわもう。乾杯しましょ。」
ニイヤマ課長がジョッキを上げますが。
眼鏡は既に勝手にやっておりますが。
しますか?乾杯。
「…………ッ!!」
美貌の才媛。
ニイヤマ課長の眼鏡の奥の美しい瞳がキュウと絞られ。
怒りのボルテージが上がっていきます。
しかし、今この場に至っては眼鏡の方に地の理がある。
世間体を気にするニイヤマ課長が、衆前できぃっ!を爆発させる可能性はほぼ皆無でしょう。
ヤケっぱちに中ジョッキをイッキ飲みするニイヤマ課長を眺めつつ。
眼鏡は眼鏡バリアーの必要はないと判断します。