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暗闇の宇宙空間。
遥か地球を見下ろす静止軌道上に浮かぶ、六角形の宇宙ステーション。
人呼んで『スペースペンタゴン』その内部、最上層のVIPルーム。
照明を絞った薄暗い室内に置かれた円卓を、14脚の椅子が囲う。
椅子に腰掛けた14人の人物、お互いその顔は視認出来てはいないが。
重い岩のような存在感がさして広くない室内にミッチリと詰まり、嫌が応にも「そこにいる」事を各々が感じ合わずにはおられない高密度の空間。
いかにもな秘密結社めいた、イリーガルでアブノーマルなアンユージュアルの空気。
唯ひとつ。
彼らの腰掛けているのがスチールのパイプ椅子であるのが非常に残念なポイントである。
「…では、僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称、『フォーティーン』。本日の定例会議を始めます。」
<当番>と書かれた三角のポップが置かれた席の男が、長く重い静寂を破り発言した。