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皆さんが慌ただしく働くのを横目で見つつ。
10時になりましたので、眼鏡は朝のコーヒーブレイク。
休憩室へ向かいます。
廊下を行き交う忙しい皆さん。
廊下は駆けない走らない、わが社の社訓のはずですが。
眼鏡は眼鏡をクイッとやります。
廊下を曲がったところで突然、「きゃっ」という悲鳴。
不意にぶつかる柔らかい衝撃。
吹き飛んで床に転がる2つの眼鏡。
出会い頭にぶつかった2人が、同じ姿勢で尻餅をつきます。
「あ、ごめんなさい。」
いえこちらこそ。
眼鏡がないのでよく視えませんが。
ボンワリと浮かぶ輪郭、おそらく美しい妙齢の女性。
先程の感触から察するに。
豊かに盛り上がっている胸部に見事に衝突してしまったようです。
大変失礼を致しました。
互いに互いの眼鏡を探す、眼鏡をなくした眼鏡の2人。
眼鏡眼鏡。
眼鏡眼鏡。
ああ、ありました。
眼鏡はやはり眼鏡ですので。
眼鏡がなくては始まりません。