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「遠隔操作…、か。」
ええ。
車輛業界No.2のオイストリッヒ社が、クライスラー社に大きく水をあけられている理由。
クライスラー社にあって、オイストリッヒ社にないもの。
それがこの、遠隔操作の技術です。
タブレットの画面を叩く眼鏡。
応えるように。
ブウッウ!ブリブリブリブリ!
窓下のオバマが吠えます。
いま時分。
遠隔操作機能のある車輛なぞ珍しくもありませんが。
クライスラー社のそれはその精巧さ、多機能性、有効範囲。
すべてにおいて頭ひとつ抜けていると言えるでしょう。
ブッブゥ!ブリ、ブリ、ブリ!
ブッブッブウ!ブリ、ブリ、ブリ!
オバマが合いの手を入れます。
「…近所迷惑だからやめろ。」
「ハッシャシマス?」
「それもやめろ。」
長髪の方は。
案外と世間体を気にするようです。
さて。
件の宇宙海賊組織、フォーティーン。
彼らがオバマを欲しがる理由なのですが。