『6年ぶりに発つキミへ』
そもそもである。
なんでこんなものを書いていたのかというと、当時の私は諸般の事情で書いてる人も読んでる人もこっ恥ずかしくなるような、純愛ラブコメディーをわりとノリノリで書いていたのであるが。
次第に私の中で『もっとなんかエッチなこと書きたい』…ではなくて、『なんかカッコいい野郎どもがなんかカッコよく活躍する話が書きてえなあ』というフラストレーションが溜まっていってしまっており、女子中学生ラブコメの方が大団円を迎えキッチリハッピーエンドで終わらせつつある一方、同時進行で『カッコいい話』をちょこちょこ書きためていたのである。
女子中学生ラブコメが百点満点サイコーの出来で完結し、いよいよ『カッコいい話』を遠慮なく書ける局面を迎え、さて、次はこいつを連載するカナと思ったところでひとつ問題。
私はどーも長編というのを飽きずに書くというのが苦手というか、『お話』を考え終わってしまうと自分の中では完結してしまい、わざわざ書くに至らない。どうにもそういう癖があるようで、当作『5人のギャング』を書くにあたって連載形態の見直しを余儀なくされることとなった。とにかく、『長編』を書くのはイクナイ。絶対途中でそれ飽きる。ならば毎日1ページ、必ず毎日1ページ、鈍足進行で進めていきますそりゃあ、それしかねいでしょう。
てなわけで毎回400字、1日1ページの縛りをつけて、始まりました『5人のギャング』。メインキャラクターはブリキのオモチャがモチーフで、世界観は寺沢武一先生の描くマンガのような、なんか宇宙とかロボとか言ってれば『未来だから』で許されてしまうレトロフューチャーな宇宙時代。五人五様の『カッコいい男』たちがとにかくカッコよく活躍していく物語。新たな日課となったこの連載は途切れながらも6年続き、ようのやくで本日この日、完結することができました。
当初から『5人のギャング』の五人はそれぞれカッコ良く生き、そしてカッコよく散っていく。それは決まっていたことで、『彼ら』の物語はここで本当におしまいです。
『5人のギャング』の5人は生きているかもしれないし、フツーにそのまま死んだかもしれない。extraroundにて生き残っているキャラクターは5人、彼らが新たな『5人のギャング』としてチームを結成、別の物語を紡ぐのかもしれない。とりあえず。私はいま非常になんかこう、『もっとなんかエッチなこと書きたい』というフラストレーションが溜まってきている。
以上、『5人のギャング』完結に寄せて。
2024年8月16日、暴風雨。
『5人のギャング』キャラクターメモ
・ノンストップ・ラヴェンダー
モチーフはノンストップ・ラヴェンダーロボット。壁に当たるとくるっと向きをかえて逆の方向へ走るロボットのオモチャ。平行世界をジャンプする彼の超能力の発想はそこから。
テキトーな性格なのは何度も『方向を変えて』いるうちに『まあどうにかなるんじゃね』とあらゆる物事に対して考えるようになったため。
見た目通りの年齢ではなく、体感的には既に何百年も生きており、少なくとも最終局面において明治時代からいたことが仄めかされている。
・ターゲット
モチーフはターゲットロボ。胸の的に弾を当てると発狂したように腕を振り上げ暴れまわるロボットのオモチャ。自分が狙撃されると狂暴人間になる彼の奇癖はここから。
変なルビをつけて喋るせいで文字数を圧迫する超問題児。ルックスはロン毛でハンサムな最近の若者、ていうかキムタク。
・ラジオコントロール
モチーフはラジオコントロールロボット。リモコン操作で走らせられるロボットのオモチャ。遠隔操縦のスペシャリストという特技はそこから。
彼は私の書く話にいつも出てくる『眼鏡をクイッとやる人』です。一応、演じている役者さんが同じで全部違うキャラクターという設定。
・ソニック
モチーフはソニックロボ。胸のスピーカーから騒音を立てて走り回るロボットのオモチャ。衝撃波を必殺技とする彼の戦闘スタイルはそこから。
常に半裸で筋肉モリモリという点でのモチーフはフレディ・マーキュリー。ヒゲはあるかないかで言えばたぶんないと思います。
・マシーンマン
モチーフはマシーンマン。袴型ロボット『5人のギャング』の5体の中で後年になってからオリジナルが発見され、そこから復刻されたという変わったエピソードのある一体。外宇宙から来たオーパーツという彼の設定はそこから。
誰のセリフでもない地の文でストーリーが語られている回は全部彼のモノローグである。
・ミラクルボインちゃん(仮)
本作品における不二子ちゅわん的な存在。『5人のギャング』それぞれの前に現れた美女がすべて彼女本人であったのかは謎。あと、どっかの諜報員という設定以外全部謎。一応名前はあって『新山らん』という名前です。良い子は検索してはダメですが悪い子は『インターネット』を検索すれば彼女の外見的なモチーフを知ることができます。
・ピッツアマルゲリー
世界一腕の立つ殺し屋。彼は今作ではブリキのオモチャの『ムーンロケット』に融合し宇宙に騒音を垂れ流し続けることになる。私の書く話にいつも出てくる『変な男』本人です。眼鏡と違いこっちはすべての物語にすべて本人が出ているという設定。
・湯川専務
手の甲に古傷のある穏やかな声の大柄な、眼鏡の会社重役。クライスラー社で唯一眼鏡をかけていないことから彼が裏切り者だとわかるのである。作中でおそらくいちばん真面目な人。最終回後も生き残り?新生『5人のギャング』が結成されるとしたら
眼鏡のポジションになると思われる。
・コテプン刑務所長
サイボーグ部隊の元部隊長。彼と湯川専務が今作の黒幕的存在。モチーフは前の職場の嫌いな課長。余談になるがこの夏に実家の私の部屋を片付けていたらナルサワパンアイコンがコテプン課長をボッコボコの血ダルマにしているマンガを見つけてしまい、病んでたんだなあ…と思った始末。
・スペースロボット・Xカー
モチーフはスペースロボット・Xカー。謎の試験管の中身をかき混ぜながら走るキテレツなロボットカーのオモチャ。個人的にいちばんお気に入りのブリキオモチャだったりする。
・アイスクリームベンダー
モチーフはアイスクリームベンダー。アイス売りのおじさんが自転車をこいで走るオモチャ。
戦時のPTSDを患っており言動がおかしいのはそのため。銀河最強のサイボーグ、ソニックをどうにか倒させるためのアンチキャラクター。
・スゴイ=デカマラー教授
私の書く話に度々出てくる悪魔の科学者。今作ではしばらくゲストキャラクターとして登場し、それまでのストーリーのまとめと解説を行う超重要な役を担った。
・<当番>の男
1日1ページ連載ということでだらだらと続きがちな話をさっさと先へ進めてくれる大切な人。最終回ではまさかのカップリングでラストシーンを飾ることになる。当初、ノンストップ・ラヴェンダーは最後に一人で大気圏へ突入し愛車オバマとともに燃え尽きるはずだったのだが、最後の最後の最後の最後で『こっちのほうが面白いから』と彼が同乗することになった。今作における最後にして最大のストーリー変更点。
・ナイトインアーマー
モチーフはナイトインアーマー。ロボットではなく甲冑騎士が剣を振り振り歩くオモチャ。
今作ラスボスにしてギャグ担当。素顔は苦労して老けた世界線のノンストップ・ラヴェンダーの顔。
ポンポン蒸気もどっかで出したかったナァ。




