1448/1502
round - 110
暗黒の宇宙空間。
遥か地球を見下ろす静止軌道上に浮かぶ、六角形の宇宙ステーション。
人呼んで『スペースペンタゴン』その内部、最上層のVIPルーム。
照明を絞った薄暗い室内に置かれた円卓を、14脚の椅子が囲う。
「いったいどうなっておるんだ!!」
我慢の限界を迎えた男が力まかせに円卓を叩き、不満の限りに怒声を発する。
刻一刻と迫る宇宙機動要塞『トランプ』の自爆リミット、着々と崩壊していく暗黒宇宙の建造物。
その只中に取り残されて状況すらもわからない。
不安と焦燥そして恐怖が場の雰囲気を支配している。
「あの二人は!いつになったら戻ってくるんだ、ぇえ!?だいたい気に入らないんだ、我々、僅か14人で全宇宙を裏から支配すると噂される宇宙海賊組織、通称『フォーティーン』はその名のもとに平等のはず、なのに何故あの二人だけが目立っているんだ!」
我慢の限界を迎えた男の口から溢れる不満満々非難轟々。




