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「なに化けて出てきてんの…じゃなくて!幽霊とかそんな非科学ティキ、そう!一酸化バリトンニュームだ!共鳴現象による情報の共有、ソニックくんとベンダーくんの記憶人格がごっちゃになって!記憶のなかのサイボーグ戦隊の連中の言動を、『情報』として引っ張りだして!それだけのこと…馬鹿!お前らなんてとっくに死んでるくせに、新時代の礎になれたことを誇りに思って大人しくくたばってお…あが!痛い痛い痛い痛い!ちょ、ソニッ、ベンダー?くん!やめっ!」
理性と本能的恐怖。
小太り男は必死に理性でいま起きている奇跡を否定、本能的な恐怖心、『死者』に対する畏れの思いに打ち勝とうと試みるも、頭蓋を今にも破壊せんとす超握力がそれをさせない。
次第次第に思考は奪われ親に叱られた子どものように、嗚咽と悲鳴と謝罪の言葉。
「あが!ごめっ許して許しっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさ、あがががあっ!」
骨の割れる音。




