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round - 106
「(毎日他の囚人たちとまったく同じモン食って、なんならいちばん食いまくって、ピコンピコーン人間になってるやつらに毎日囲まれ生活してて、こいつだけ影響が出ない訳がない、当たり前だったんだけど…『ソニックくんだし』とか思ってスルーしてた、ってお馬鹿!もう馬鹿の馬鹿のお馬鹿!『成功』してたんだよ、とっくに!!日常生活になにひとつ影響の出ない非常に高いレベルで!!知らんうちに熱核融合反応炉と一酸化バリトンニューム動力機関、ハイブリッドサイボーグとしてこの上なく完成してたんだ!とっくに!!)」
小太り男の目の前で。
青白輝く半裸の巨体、リモコンバリバリ噛って飲み込み『次』へとぬうと手を伸ばす。
「(む、無理だ!勝てるわけない…死ぬ!!?)」
思考も施行も策謀も、何もなくただ本能的な『死にたくない』という意識。
小太り男は背中を向けて短い足で疾り出し。
ああ無情。
伸びた腕が、頭を掴む。




