1442/1502
round - 104
「困ったねえ。僕ひとりじゃとても運べないよ、武蔵坊じゃあるまいし。仕方ないねえ、ソニックくんに起きてもらわなきゃ。えっと、再起動はどうやるんだっけ。なあんせ最高最高機密の最終最終兵器だからねえ。まさか僕も、僕が本当に使うことになるなんて思ってもみなかったからねえ。」
小太りの男は手元のリモコン。
ころころ太い指であちこち、弄りまわして調べているが不必要にやたらとでかい『緊急非常停止』のボタン以外に操作のできるスイッチはなし。
途方にくれてリモコンを眺めて首を傾げているとヌゥと横から太い腕、リモコン掴んで奪いとる。
『あっ』と思わず視線を上げた小太りの男の目が点になる、思考が数秒凍りつく。
「これは食っていいのか?」
止めたはず。
動力源の熱核融合反応炉。
それ自体をリモコン操作で完全停止させられたはずの、半裸の筋肉サイボーグ。
ソニックがまるでいつもの通りにリモコン掴んで問いかける。




