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round - 96
「あ…ああれれれ。あ、アイスクリームぅ。しっぱいぱい。し失敗しちゃったよよお。なんで…なんでで。ぼぼ、ぼっ、き、ぼく…ソソソソニックぅくんとおなじになったはずなのに、ぼぼ僕のほうがぁ…つ、つ、強くなったはずなの…にぃ。やられちゃった…なななんで…?」
隣のやつは泣きそうな顔で、への字まゆげで俺を見上げる。
いつものあいつのいつもの顔だ。
サイボーグ部隊にいたときの。
戦争のときのあいつの顔だ。
戦争は昔だ。
サイボーグ部隊も昔だ。
もう、いまにいたらいけないんだ。
ロボ公も『そうだ』と言ってたし、ロボ公は頭がいいからな。
だからきっとそうなんだ。
バキメキバキと掌のなかで機械部品の潰れていく音。
あいつの熱核融合炉。
心臓握り潰される音。
終わりだ。
「ま、まだだよ。まだ僕には、共鳴が、衝撃派共鳴が。やり直せるんだ…。」
駄目だ。
終わりだ。




